歴史好きだけではなく、映画ファンにも必見の映画「関ヶ原」
映画を深く理解するためには、戦いの舞台になった関ヶ原に実際に行くのがイチバン。
映画を観て、その舞台を巡る旅に出ましょう。
この記事は下記の方を対象としています。
・歴史、史跡巡りが好きな方
・邦画の舞台となった場所を観てみたい方
司馬遼太郎原作の大ベストセラーを映画化!映画「関ヶ原」
「関ヶ原」はどんな作品?


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映画「関ヶ原」あらすじ
幼くして豊臣秀吉に才能を認められ、取りたてられた石田三成は、秀吉に忠誠を誓いながらも、正義ではなく利害で天下を治める秀吉の姿勢に疑問も抱いていた。
そんな三成の下には、猛将として名高い島左近や伊賀の忍びの初芽らが仕えるようになるが、秀吉の体調が思わしくないなか、天下取りの野望を抱く徳川家康は、言葉巧みに武将たちを自陣に引き込んでいった。
そして1598年8月、秀吉が逝去。1600年9月15日、毛利輝元を総大将に立てた三成の西軍と、家康率いる東軍が関ヶ原で天下分け目の決戦に挑むこととなる。
映画「関ヶ原」は、天下分け目の大合戦「関ヶ原の戦い」を、敗軍の将「石田三成」の視点から書き出した司馬遼太郎の名著「関ヶ原」を壮大なスケールで映画化した作品です
司馬遼太郎の「関ヶ原」が映画化されるのは史上初で、岡田准一、役所広司、有森架純など豪華キャストで、2017年に映画化されました。
「日本のいちばん長い日」、「わが母の記」の原田眞人監督がメガホンを取った作品です。
「関ヶ原」は義を貫いた石田三成の一生を軸に天下分け目の大合戦「関ヶ原の戦い」を描き出した作品です。
「関ヶ原」は、数多い登場人物の、複雑な人間関係を描いた壮大なストーリーのため、司馬遼太郎がかきあげた原作は、500ページの文庫本三巻からなる大作となっています。
映画ではそれをたった149分に凝縮しているため、なんの前知識無しで鑑賞しても意味が分からないがたくさんあるのではないかと思います。
映画鑑賞の前に、歴史的な背景と人間関係の大まかな説明に少しお付き合いください。
政治や経済で優れた能力を発揮した知将、石田三成とは、
安土桃山時代の武将・大名で、豊臣家の家臣です。
佐和山城主で、豊臣政権の奉行として活躍し、五奉行の一人となりました。
豊臣秀吉の死後、徳川家康打倒のために決起して、毛利輝元ら諸大名とともに西軍を組織したが、関ヶ原の戦いに破れ、京都六条河原で処刑されました。
石田三成の宿敵、徳川家康とは
戦国時代から江戸時代初期にかけて、活躍した武将です。
安祥松平家9代当主で徳川家や徳川将軍家、御三家の始祖となります。
旧称は松平 元康(まつだいら もとやす)、豊臣秀吉の死後に引き起こした関ヶ原の戦いに勝利し、豊臣勢力を圧迫しつつ1615年には大坂夏の陣により豊臣氏を滅し、265年間続く江戸幕府を開きました。
264年続いた江戸幕府の祖として「神祖」、「烈祖」とも呼ばれました。
日本史上の三英傑のひとりです。
映画「関ヶ原の戦い」で描かれる石田三成と徳川家康の確執とは
石田三成を主演の岡田准一、三成を守りながら彼に密かに恋心を抱く伊賀の忍び「初芽」を有森架純が演じました。
幼少期に豊臣秀吉にお茶を振る舞い、その賢さを買われて取り立てられた石田三成(幼少期:佐吉)は、作中では、正義を重んじる男として描かれています。
秀吉が崩御した後も、秀吉に忠義を尽くそうとした三成は、秀吉亡き後に天下を取ろうと目論む徳川家康と真っ向から対立します。
謀略に長ける家康は、三成に対抗するために策を練り、各武将と水面下で交渉を続けました。
三成率いる西軍と、家康率いる東軍の衝突となった天下分け目の関ケ原の戦いでは、数で勝る三成の西軍は、小早川秀秋の裏切りにより敗北します。
「関ケ原」では、歴史的な関ヶ原の戦いを骨子に、架空の伊賀の忍び「初芽」と三成とのラブストーリーも織り交ぜて、ストーリーは展開します。

映画「関ヶ原」をみる!
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天下分け目の合戦「関ヶ原の戦い」を巡る旅に出よう!
「関ヶ原の戦い」は、美濃国不破郡関ケ原(今の岐阜県不破郡関ケ原町)を舞台とした合戦で、主戦場となった関ヶ原古戦場跡は、現在、国指定の史跡となっています。
東京からのアクセスは、新幹線利用で約2時間半なので、日帰りで簡単に往復することができます。
今回ご紹介する行程は、関ヶ原駅から徒歩で北上し、石田三成陣跡で折り返し、西廻りで戻ってくる古戦場一周コースです。
距離にすると約5km程度ですが、途中の笹尾山などは勾配がかなりあるので、日頃運動をしない方にはかなりきつい行程になるかもしれません。
楽に回りたい場合は、関ヶ原駅前にある、「関ヶ原駅前観光交流館」でレンタルサイクルを借りることをオススメします。
電動アシスト付自転車も借りることができるので、楽に行程を回ることができます。
関ヶ原の古戦場跡は、さほど広い範囲ではないので、レンタカーでは逆にスポット間の移動効率が悪くなりますのでご注意ください。
今回の行程に入っていない陣跡は、まだたくさんありますので、余裕がある方は行程の途中で立ち寄っても良いかもしれません。
また、すべて回る時間がない場合は、徳川最後陣跡→決戦地→石田三成陣跡の三箇所を巡ることで、映画「関ヶ原」での、合戦のスケール感がつかめるのではないかと思います。

映画「関ヶ原」を理解するための立ち寄りポイントのご紹介
岐阜関ヶ原古戦場記念館で、天下分け目の大合戦「関ヶ原の戦い」を知る!

関ヶ原の戦いを理解するためには、複雑な歴史的背景を理解する必要があります。
関係する戦国武将の数も多数に渡り、その中で謀略、裏切りが繰り広げられたことが戦いに影響を与えているので、まずは最初に「岐阜関ヶ原古戦場記念館」に訪れると理解の助けになるはずです。
記念館は、単なる展示物だけの博物館ではなく、舞台となる東西陣営を俯瞰でいることができる「グランド・ビジョン」や、合戦を再現した映像を見ることができるシアターを使った体感型の施設となっています。
記念館のレストラン「伊吹庵」では、関ヶ原合戦定食、戦略武将カレーなどの関ヶ原の戦いをイメージしたランチが楽しめます。
博物館付属のレストランとしては、ランチメニューが豊富で、「石田三成もこもこ抹茶パフェ」などのカフェメニューも充実しているので、お昼に立ち寄ることをオススメします。
入館料
区分 | 入館料 |
---|---|
一般 | 500円 |
高校生・大学生 | 300円 |
中学生以下 | 無料 |
所在地:岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原894-55
アクセス:JR関ヶ原駅から徒歩10分
「決戦地」で、大合戦に思いを馳せて

現在は田園の広がる中程にある「決戦地」。
かつて関ケ原合戦の中でも特に激しく戦いが行われたこの場所には、石碑や、徳川家・石田家の家紋入りの旗が建てられ、休憩所もあります。
徳川家康最後陣跡から出発し、石田三成陣跡のわずか手前にある決戦場跡を見ると当時の合戦で、いかに石田三成が追い詰められていたかが分かります。
所在地:岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原894−29
石田三成陣跡で、敗戦の将の気持ちを知ろう

決戦地北西に位置する笹尾山に、「石田三成陣跡」の碑があります。
合戦時に、敵の攻撃からの防御として使われた竹矢来・馬防柵が復元されていて、当時の様子が再現されています。
合戦当時、“三成に過ぎたるもの”といわれた、島左近を竹矢来の前に配置し、三成は山頂で指揮をとったようです。
関ケ原は交通の要所といわれているだけに、南西にある北国街道が軍事上重要な場所であったため、三成は島左近と共にここ笹尾山に布陣したと考えられています。
所在地:岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原4008
関ヶ原ウォーランドの武将像で合戦を体感!
関ヶ原ウォーランドは、関ケ原合戦を再現したテーマパーク型資料館です。
造形作家浅野祥雲作の等身大武将像が展示されています。
施設内には、関ヶ原の陣形地を再現されており、実物大のジオラマで当時の戦いの様子を知ることができます。

ウォーランド資料館入館料
区分 | 料金 |
---|---|
大人 | 500円 |
子供 | 300円 |
所在地:岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原1701-6
一泊二日の旅なら長良川温泉でほっこり
関ヶ原駅から電車とバスで1時間、鵜飼で有名な長良川のほとりに長良川温泉があります。
赤褐色の湯は鉄分を多く含んでおり、長良川、金華山、岐阜城を眺めながら温泉を楽しむことができます。
長良川温泉で最もオススメなホテル・旅館を3ヶ所ご紹介します。
長良川温泉 十八楼

万延元年(1860年)に、「山本屋」から「十八楼」に改名してから160年の歴史を持つ老舗旅館です。
長良川を眺めながら入ることができる大浴場には「川の瀬」と「川の音」の2つがあり、夏は鵜飼船、冬には長良川の雪景色を眺めることができます。
飛騨牛と地元の野菜を用いた見事な会席料理を食べて、ゆっくりと時間を過ごすことができます。
所在地:岐阜県岐阜市湊町10番地
アクセス:JR岐阜駅 名鉄岐阜駅より路線バスにて約15分 長良橋バス停下車
岐阜グランドホテル
長良川の河畔にあり、対岸に金華山、岐阜城を望む都市型リゾートホテルです。
価格はリーズナブルですが、接客等のサービスが良く、窓からの景観も素晴らしいホテルです。
所在地:岐阜県岐阜市長良648
アクセス:JR岐阜駅、名鉄岐阜駅より岐阜バスで20分・うかいミュージアム前下車すぐ
長良川温泉 きんか
岐阜公園に隣接し、金華山、岐阜城がほぼ庭続きの料理旅館です。
美しい日本庭園を眺めながら、食材を吟味した会席料理を楽しむことができます。
5月から10月の鮎のシーズンには長良川の貴重な天然鮎が夕食として提供されます。
所在地:岐阜県岐阜市大宮町1−15
アクセス:名鉄新岐阜駅より車で10分バス岐阜公園歴史博物館前徒歩1分
番外編 「関ヶ原」を深く理解するために
司馬遼太郎の名著「関ヶ原」を読む
老獪緻密な家康の策謀と、それに打ち負かされた「義」を説く三成の戦いをテーマにした超大作歴史ロマン小説です。
映画では深く語られなかった物語を彩る戦国武将たちの人間像も描かれているので、「映画を観たけどよくわからなかった」という方はぜひ小説を読んでみてください。
司馬遼太郎の歴史小説「燃えよ剣」も、原田眞人監督により2021年10月に映像化されているのでそちらも映画と合わせてぜひどうぞ。

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